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ガイドウェイバスの事例としては、まずドイツ・エッセンの例で、通常のバスとトロリーバスが軌道に入っている例です。基本的には既存の市電と同一軌道を走行するため、コンクリート性の通路部分だけを整備すればよいということで、整備費等も低減されています。
次は、一般道路から市電の軌道に入るところです。
次は、都心中心部で路面電車を地下化して、その中を走行している例です。
大規模なガイドウェイバスの事例としては、オーストラリア・アデレードがあります。最近ですが、イギリスでも同様の技術を導入しています。イギリスの例では、路線全体のネットワークで導入するのではなく、混雑時に、混雑する区間を迂回させるスポット的な形態が用いられ、リーズ等で導入されています。
最後はにこれらを含めて都市計画や土地利用計画と一体にまちづくりの中で、公共交通のバスを活用しているブラジル・クリチバの事例です。クリチバ市は人口約150万人で1970年代から行政が中心となり、爆発的に増加する人口を収容しつつ、整序あるまちづくりを展開していく上で、バスを公共交通の根幹に据えた例です。基幹的な交通網の発展形態は、バスによる5つの都市開発軸や放射状の軸をつくり、その沿道に開発を集中させるパターンを採っています。また放射線の幹線バスや環状バスと放射の端末には、住宅地等をアクセスするフィーダーバスも導入されています。
都市開発軸の概念は、都心部に名古屋のようなの中央走行式の基幹バスを4車線道路の中央2車線に整備するとともに、1ブロック(約500m〜1?q)を囲むように幹線道路を配しています。
ブロックは都市計画的に高層・高密化が可能となるよう配慮し、都市が発展してきたらこの軸を延伸させ、交通整備やバス整備を併せながらまちづくりを推進していこうとするものです。
1980年代の写真ですが、中央に基幹バスが通り、1ブロックずつ左右にそれぞれ一方通行の幹線道路が整備され、この間を高層・高密化しています。
次は、乗換えの部分であり、基幹バスや環状バス等の乗換が迅速かつ容易となるよう大規模なバス駅を整備しています。運賃は先払であり、駅の中は自由に乗換えられるというシステムとなっています。
運行しているバスには多くの種類があり、線的に多量の人を早く運ぶバスや遅くてもよいから面的にカバーするバス等、車両・速度・サービスを変えた形で組合わています。
バスの乗換えで工夫している点では、透明なチューブを使用し、プラットホームのようなバス停が一般的に用いられており、バスが来るとホームとバスの高さが近似し乗降しやすい様になっています。また、ドア幅も広く迅速に乗降できるので大量の乗降が処理しやすくなっています。
一方、バス車両ではメガ・バスと呼ばれる270人乗りの3連接バスも導入されています。
海外事例をもとにまちづくりの視点から関心の高い注目すべきことということで話をしましたが、これからの人・まち・環境にやさしいバスに向けてとして4点挙げました。
はじめの「都市交通システムの基本コンセプトでの位置づけ」ですが、車・鉄道・市電・自転車・徒歩がマルチモーダルの中でそれぞれ位置づけられています。この中でバスはどの様な役割を果たしていくかが重要であり、都市規模等により様々な条件もありますが、それぞれの交通手段をどのように位置づけてということが必要かと思います。公共交通としての位置づけと同時に

 

 

 

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